トランプ氏、イラン核合意から離脱の可能性 米国務長官
ワシントン(CNN) マイク・ポンペオ米国務長官は29日までに、トランプ大統領がイランとの核合意を順守する決定を下す可能性は少ないとの見通しを示した。
訪問先のベルギー・ブリュッセルの北大西洋条約機構(NATO)本部での記者会見で述べた。トランプ米大統領は5月12日を核合意からの離脱の是非を決める期限としている。
米大統領はイランとの核合意の正当性を数カ月ごとに検証することが義務付けられている。核合意は、イランによる原子力関連活動の制限、その見返りとしての経済制裁の緩和などを盛り込み米英仏中ロ独の6カ国とイランが結んでいた。
ただ、トランプ氏は合意の中にイランの弾道ミサイル開発や中東地域での活動への制限などが含まれず、一部の合意事項に期限が設定されていることを再三批判。先に訪米したマクロン仏大統領との会談などでは「正気ではない取引」とも指弾していた。
その上で欧米などに合意事項の修正を要求し、5月12日までの期限を設定していた。米国が合意からの離脱を決めた場合、イランへの制裁復活にもつながる。
欧州諸国は合意維持の重要性を主張し、トランプ氏との意見対立の溝は埋まっていない。トランプ大統領は27日、核合意を支持するメルケル独首相と会談した際、イランの現体制を非難、核兵器保有の道を封じるべきだとも主張していた。
トランプ、マクロン両氏の会談内容に詳しい消息筋によると、既にある核合意とは別枠の合意の取りまとめ案が浮上した。しかし、ポンペオ長官によると、この案についての合意はなされておらず担当者間での作業が続いている。