英外務省、ロシアの神経剤に言及した投稿を削除 元スパイ襲撃
ロンドン(CNN) 英南西部でロシアのスパイだった男性が神経剤で襲撃された事件を巡り、英外務省が4日までに、「ロシアで製造された神経剤」に言及したツイッターの投稿を削除していたことが分かった。
この事件では、元スパイのセルゲイ・スクリパリ氏と娘のユリア氏が3月4日に襲撃された。英外務省は同月22日のツイートで、英軍事研究機関ポートンダウンの化学兵器専門家の話として、ロシアで製造された神経剤の「ノビチョク」が使われたと断言していた。
英外務省の報道官はCNNの取材に対し、この投稿を削除したことを確認。理由については、駐ロシア英国大使が行った説明の内容が省略され、正確に伝えられていなかったとしている。
これに先立つ3日には、ポートンダウンのトップが、神経剤はどこで製造されたのか確認できないと発言していた。
ロシアはこれまで襲撃への関与を一貫して否定してきた。在英ロシア大使館は早速、「英外務省はなぜ3月22日の投稿を削除したのか」とツイートしている。
問題の投稿は3月27日ごろまでに削除された。在ロシア英国大使館の同じ内容の投稿も削除されている。
それでも英外務省報道官は、スクリパリ氏の襲撃にロシアが関与したという英政府の判断は変わっていないと強調した。
今回の事件をきっかけとして、英国や米国、フランス、ドイツなどの同盟国は、ロシアの外交官100人以上を国外追放処分とした。ロシアも報復として、各国の外交官を追放している。