パリス・ヒルトンのショップが聖地メッカに進出、論議呼ぶ
(CNN) 米タレントのパリス・ヒルトンがサウジアラビアのイスラム教聖地、メッカに自身のブランドの専門店を開いた。セクシーな「お騒がせセレブ」のイメージが聖地に似つかわしくないと批判を浴びている。
メッカに昨年オープンしたショッピングセンター「メッカ・モール」内の店舗で、高級バッグやアクセサリーを扱う。ヒルトンはツイッターで「素敵な店がオープンしました」「サウジアラビアで5店目、世界で計42店目のショップです」と紹介した。
イスラム教徒にとって、メッカ巡礼は一生に一度は果たすべき義務とされる。毎年世界中から300万人の信者がここを訪れる。
メッカ在住の聖職者は「彼女の店はここに必要ない。われわれの管理下にあれば、サウジ国内の5店舗をすべて閉鎖させるだろう」と反感をあらわにした。
メッカにはすでに、グッチやクリスチャン・ディオールなど欧米の有名ブランドが多数進出している。メッカ・モールには宝石や電子製品、婦人服、スポーツウェアの店が並び、下着のブランド「ラ・センザ」まで入っている。こうした流れ自体に「メッカの伝統が失われる」と危機感を抱く声も強い。
一方、ドバイ在住のサウジ人実業家は「メッカはサウジの小売業の中心地。すでに4カ所の店舗が住民に受け入れられ、需要にこたえて5店目を開いただけだろう」と、冷静に分析している。