破産寸前のサッカークラブを世界一の富豪らが救済 スペイン
(CNN) 資金難で破産の瀬戸際にも追い詰められたサッカーのスペイン3部リーグ所属のクラブが、世界中のサポーターによる株式購入や世界一の富豪の投資で再建にめどがつく救済劇がこのほどあった。
このクラブはスペイン北西部のアストゥリアス州を本拠地とするレアル・オビエド。かつては1部リーグに所属し、レアル・マドリードやバルセロナの両強豪と戦った古豪クラブだが、経営失敗で近年は存亡の危機に直面していた。
同クラブは今年11月17日までに、190万ユーロ(約1億9570万円)の資金調達を迫られる事態に遭遇。現経営陣は投資を呼び込むため新規株式の発行を決定した。
クラブの財政難は長年のサポーターであるサッカー記者が短文投稿サイト「ツイッター」で伝えていたことから、世界中のファンが株式購入に応じていた。過去2週間でファンが買った株式は190万米ドル(約1億5390万円)以上に相当。この記者によると、株式購入には世界中の1万3000人が参加したという。
さらに、メキシコの実業家で世界一の富豪であるカルロス・スリム氏がサポーターのこの救済活動を知って感動、250万ドルの投資を決め主要株主になっていた。
オビエドは声明で、同氏の投資について「選手の目標達成やクラブの歴史と価値にふさわしいリーグへの昇格を支援するもの」と評価した。米経済誌フォーブスによると、通信業などで巨富を築いたスリム氏の純資産は推定690億ドル。
同氏は今年9月、メキシコのサッカークラブの2チームの株式をそれぞれ30%購入。今回のオビエドへの投資では、スペイン、メキシコと中南米のサッカー間での相乗効果や交流の拡大を目指すとしている。