ブラジル、W杯で治安強化 試合会場で観客50人に警官1人
(CNN) ブラジル政府は5日、2014年に主催するサッカーのワールドカップ(W杯)本大会に備え、9億ドル(約738億円)を投じ治安維持部門を強化すると発表した。
試合会場では観客50人当たりに警官1人を、試合を実況中継する巨大スクリーンなどが設置される公の場所には80人当たり警官1人を配置する計画。歴史上、最も治安が保たれるスポーツ祭典の1つにすると意気込んでいる。
14年大会に向け国際サッカー連盟(FIFA)は主要都市サンパウロなどブラジルの都市での犯罪発生率の増加やインフラ施設の整備の遅れなどに懸念を示していた。
FIFAのジェローム・バルク事務局長は昨年、ホテルや交通手段の確保で改善がみられないと批判してブラジル内で批判を招き、謝罪に追い込まれていた。ただ、先月も対策は講じられているものの問題は依然として存在するとし、特にサンパウロ市での犯罪増加への危惧(きぐ)を表明していた。
ブラジルのアルド・レベロ・スポーツ相は治安維持の向上への取り組みは実施されていると強調。サンパウロ州政府は連邦政府の支援を受け、治安対策を導入したと主張した。治安対策では10年にバンクーバーで冬季五輪を主催したカナダから助言を得ているという。
同国のW杯招致組織は大会に備え治安関連予算を拡大。ハイテク車両やヘリコプター、監視機器導入などに9億ドルを充てる。インフラ整備には計150億ドルを支出する。ブラジルでのW杯開催は1950年以来となる。同国のリオデジャネイロでは2016年に夏季五輪も行われる。