ナチスが略奪した絵画1500点、ミュンヘンで見つかる
(CNN) ドイツからの報道によると、第2次世界大戦中にナチス・ドイツの手に渡り、70年以上も行方不明になっていた絵画1500点が、ミュンヘン市内のアパートで見つかっていたことが分かった。
独誌フォーカスが報じたところによると、絵画にはピカソやマチス、シャガールの作品なども含まれ、その価値は総額約10億ドル(約990億円)に上る。
バイエルン州当局が2011年春、脱税疑惑で捜索した古いアパートで発見した。現在は市内の倉庫に保管されているという。
ナチスは1930~40年代、個人所有や美術館所蔵の絵画など数千点を「退廃芸術」と見なして没収した。ユダヤ人の家から盗まれたり、国外逃亡時に不当に安く売られたりした美術作品も多い。
こうした作品の多くは現在も行方が分からず、見つかっても持ち主の親族らに返還されるかどうかははっきりしない。その間にも持ち主たちは高齢化し、記録は失われていく。
当局はアパートでの発見を2年間も発表しなかったことについて、「名乗り出る持ち主が殺到する恐れがあった」と説明したとされる。これに対し、「オンラインでただちに公表すべきだった」との批判も出ている。