明代の茶碗「中国陶磁器の聖杯」、37億円で落札 香港
香港(CNN) 香港でこのほど開かれたサザビーズのオークションで、白地に鶏の図柄をあしらった小さな茶わんが2億8124万香港ドル(約37億円)で落札された。同社の中国陶磁器のオークションでは、2010年に記録した2億5260万香港ドルを上回る過去最高額となる。
競り落としたのは芸術作品の収集家として知られる上海の資産家、劉益謙氏。落札価格はいくらになっても構わないと話していた。
茶わんは15世紀の明王朝時代に焼かれたもので、世界に17器しか残っていないという。ほとんどは博物館が収蔵しており、その希少さからコレクターの間では「中国陶磁器の聖杯」と呼ばれている。
劉氏はタクシー運転手から身を起こした資産家で、資産総額は推定900億円以上。落札した茶わんは上海にある私設博物館に収蔵する意向。
中国の経済成長で生まれた劉氏のような超富豪のおかげで、香港は世界有数のオークション拠点となった。サザビーズの担当者は、「中国の骨董品の値段は上昇する一方で、下がることはあり得ない」と話している。