FIFA汚職 ロシアとカタールのW杯開催取り消しも
(CNN) 国際サッカー連盟(FIFA)が大規模な汚職の発覚に揺れる中、理事らの投票によってワールドカップ(W杯)の招致に成功したロシアとカタールが、大会の開催権を剥奪(はくだつ)される可能性が出てきた。
ロシアとカタールは2010年12月、FIFA理事会での投票でそれぞれ18年と22年のW杯の開催国に選出された。しかしFIFAでコンプライアンス(法令順守)担当の最高責任者を務めるドメニコ・スカラ氏は、このほどスイスの週刊紙の取材に対し「投票結果が買収によるものだったことを示す証拠が提出されれば、両国の選出は無効となる可能性がある」と明言した。
米国の司法当局はこれまで、W杯の試合の放映権などをめぐって賄賂を受け取っていたとして、FIFAの幹部9人を含む14人を起訴している。
ロシアでのW杯開催を統括するアレクセシー・ソロキン氏はCNNとの取材に応じ、同国の招致活動について「公正に行われており、FIFAの慣行からまったく逸脱するものではなかった」と主張。引き続き大会の運営に向けた準備を進めていくと述べた。
またカタールの最高評議会も、このほど発表した声明の中で「最近のFIFAをめぐる事柄は、22年大会に向けた我が国の準備状況に対し、いかなる影響も及ぼさない」と強気の姿勢を示している。
欧州と南米の2地域にサッカーの伝統国が集中する中、FIFAをはじめとするサッカー界は、ロシアやカタールといった国々でのW杯開催を新たな市場開拓のチャンスととらえている。