豪格闘家、病院への慰問断られる 理由は「金網」

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金網に囲まれた中で試合をする「ザ・ハルク」ことソア・パレレイさん

金網に囲まれた中で試合をする「ザ・ハルク」ことソア・パレレイさん

(CNN) オーストラリアでこのほど、病気の子どもたちのためのチャリティー活動に携わった格闘家が、病院を訪問して子どもたちと直接会うイベントへの参加を断られる出来事があった。同格闘家の所属する団体が、病院のある西オーストラリア州で禁じられた「金網」の中での試合を行っているというのが理由だ。

病院への訪問を断られたのは、「ザ・ハルク」のニックネームで知られる総合格闘家のソア・パレレイさん(38)。米国の総合格闘技団体、UFCに所属する選手で、過去3度ワールドチャンピオンに輝いている。

パレレイさんは元ラグビー選手のマット・フラーさんと組んだチャリティー企画でこれまで6万1000豪ドル(約520万円)の寄付を集めた。寄付金を受け取る施設には西オーストラリア州のパースにあるプリンセス・マーガレット病院も含まれているが、同病院はこのほどパレレイさんに対し、病院で行う写真撮影会に参加しないよう通知。パレレイさんの競技スタイルに見られる暴力性を懸念しての判断だという。

パレレイさんはCNNの取材に答え、病院側の決定に「深く傷ついている」と発言。「私にも欠神発作に苦しむ息子がいる。これまで病気の子どもたちのための募金活動に取り組んできたのに、そうした子どもたちに会いに行くことができないなんて」と話した。

プリンセス・マーガレット病院の広報担当者は「金網の中で格闘するUFCの競技スタイルはメディアでも非常に激しい議論を呼んでおり、現在は西オーストラリア州での興業が禁止されている。そのような競技の選手が当院を訪問することは適当ではないと判断した」と述べた。

1993年に設立されたUFCは、世界各国で年間40あまりの試合を開催。とりわけ日本、ブラジル、カナダといった国々での人気が高い。試合ではボクシングのリングのほか、「オクタゴン」と呼ばれる金網で囲まれた八角形の舞台も使用する。

西オーストラリア州は、総合格闘技の試合自体は認めているものの、2013年に金網の中での試合を禁止した。これを受け、同年のUFCの試合は法律の異なるクインズランド州で行われた。

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