フランスの屋根裏から名画、カラバッジョか 推定150億円
(CNN) フランス南部トゥールーズの民家の屋根裏から発見された絵画がイタリアの画家カラバッジョ(1571~1610年)の名作とみられることが14日までに分かった。鑑定を行った専門家が明らかにした。
屋根裏には普段は立ち入れない空間があり、2014年にこの家の持ち主が、たまたま屋根の雨漏りを直すために入ったところ見つかったという。
この絵は、旧約聖書の「ユディト記」に題材を取った「ホロフェルネスの首を切るユディト」。ユディトは自らの住む町を包囲したアッシリアの将軍ホロフェルネスの陣営に嘆願のふりをしておもむき、その首を切って殺害する。
専門家の試算では、この絵には1億2000万ユーロ(約150億円)の価値があり、さらなる調査が必要だという。フランス当局はこの作品の国外持ち出しを禁じた。
鑑定を行ったカラバッジョの専門家エリック・チュルカン氏は「カラバッジョのオリジナルの名作が再発見されるのは大事件だ。この天才画家の過去20年間に見つかった作品の中で最も重要なものと言える」と述べた。
同じくカラバッジョの専門家であるニコラ・スピノザ氏も「たとえ具体的な証拠や反論の余地のない証拠がなかったとしても、問題のキャンバスが真作であることはほぼ確認できる」と述べた。ただし美術史家の中には、カラバッジョと同じ時代に活躍し、その贋作(がんさく)を描いたルイ・ファンソンの作品ではないかと考える人もいる。
本物だった場合、この作品はカラバッジョの晩年の1600~1610年ごろに描かれたものとみられるという。