「カサブランカ」出演女優、マデリーン・ルボーさん死去
(CNN) 第2次世界大戦時代の名作映画「カサブランカ」に出演していたフランス出身の女優マデリーン・ルボーさんが死去した。92歳だった。カサブランカの主な出演者はこれで全員が鬼籍に入った。
カサブランカでルボーさんが演じたイヴォンヌは、ハンフリー・ボガート演じるリックに冷たくあしらわれる役柄。フランス国歌の「ラ・マルセイエーズ」が流れると、目に涙をためて「フランス万歳」と叫ぶ。
親類によると、ルボーさんは太ももを骨折し、スペインで今月1日に死去した。
1923年、フランス・オードセーヌ生まれ。カサブランカのほかに1950年の「黄金の籠」や、1963年のフェデリコ・フェリーニ監督作品「8 1/2」などの映画に出演した。
映画情報サイト「IMDB.com」によれば、カサブランカでルボーさんが演じた役は、ルボーさん本人の人生にも重なっていた。ルボーさんはナチス・ドイツに占領されたフランスから、当時の夫だったマルセル・ダリオさんと共に脱出していた。ダリオさんもカサブランカに出演している。
映画芸術科学アカデミーは2014年の記事の中で、カサブランカにはルボーさんのように欧州を逃れた俳優が多数出演していたことに触れ、「カサブランカはモロッコを経由した欧州からの移民の足跡をたどる筋書きだった。だがこの作品にかかわった俳優陣も、移民のストーリーを物語っていた」と指摘した。
カサブランカには34カ国の俳優が出演していたという。