ホロコーストを主題にアイスショー、「悪趣味」と非難の嵐 露
(CNN) 有名人がアイススケートによるダンスに挑戦するロシアのテレビ番組でこのほど、第2次世界大戦中のホロコースト(ユダヤ人大虐殺)をテーマにした演目が披露され、世界中から非難の声が上がっている。
問題の演目を踊ったのは五輪の出場経験もあるスケーターのタチアナ・ナフカさんと俳優のアンドレイ・ブルコフスキーさんのペア。そろいの縦じまが描かれた2人の衣装には、囚人番号らしきものやユダヤ民族を象徴する黄色い「ダビデの星」が縫い付けられている。ナチスドイツの強制収容所に入ったユダヤ人が着用させられた衣服を思わせるデザインだ。
演目は1997年のイタリア映画「ライフ・イズ・ビューティフル」をテーマにしたもの。ナチスの強制収容所を舞台にしたこの映画では、ユダヤ人の父親が幼い我が子に恐怖を味あわせまいと、ユーモアと機転を働かせて奮闘する姿を描く。
ナフカさんは昨年8月、ロシア政府のぺスコフ大統領報道官と結婚したことでも話題を集めた。
演目について、豪メルボルンに拠点を置くイスラエル・ユダヤ問題評議会の国際部門を統括するジェレミー・ジョーンズ氏はCNNに対し「信じがたいほどに悪趣味だ。このような決定を下す配慮のなさに衝撃を受けている」と非難。その上で、反発が巻き起こることで、世界がホロコーストの恐怖を思い出す機会になればいいと語った。
ホロコーストをテーマにした今回のショーに対しては、ソーシャルメディア上にショックや嫌悪を表明する投稿が数百件寄せられている。