米アカデミー団体、セクハラ疑惑の大物プロデューサー追放
ロサンゼルス(CNNMoney) 米ハリウッドの映画プロデューサー、ハーベイ・ワインスタイン氏からセクハラ被害を受けたとの訴えが相次いでいる問題で、米アカデミー賞の主催団体、映画芸術科学アカデミー(AMPAS)は14日に開催した緊急会合での採決で、同氏の会員資格を即刻はく奪するとの決定を下した。
AMPASは声明でこの決定について、「同業者からの敬意に値しない人物から距離を置く」だけでなく、業界内のセクハラ行為を看過する時代は終わったというメッセージを送る意図も込められていると述べた。
ワインスタイン氏に対しては、すでに英国映画テレビ芸術アカデミー(BAFTA)が会員資格を停止。ハリウッドのプロデューサー団体、全米製作者組合(PGA)も16日に同様の採決を予定している。
AMPASでは規則に基づき、理事会54人のうち3分の2以上の同意で会員資格のはく奪が決まった。不祥事による資格はく奪は過去に例がないという。
同氏によるセクハラ行為は5日付の米紙ニューヨーク・タイムズが報じたのをきっかけに、十数人の女性たちが相次いで被害を申し出た。米誌ニューヨーカーによると、このうち3人は同氏に強姦されたと訴えている。本人は代理人を通し、同意のない性行為を強要した事実はないと主張した。
AMPASの決定は今後、ほかのメンバーが同様の問題に直面した場合の判断基準になることからも、重要な意味を持つと指摘されている。