サウジアラビア、35年ぶり映画館解禁へ 来年3月にも
ドバイ(CNNMoney) サウジアラビア文化情報省は11日、来年初めから商業目的の映画館の営業を解禁すると発表した。3月にも初の映画館がオープンする見通し。
サウジで映画館が認められるのは35年ぶり。アワド・アラワド文化情報相は、映画館の解禁を「文化経済の発展における転換点」と位置付ける。
文化情報省は2030年までに300の映画館を開業させる計画だが、上映する映画のジャンルや、男女が一緒に鑑賞できるのかどうかなどは現時点で分かっていない。
上映に当たってはアラビア語の字幕が必要になることから、映画館の運営は中東地域の業者が担い、ヌードや性的な内容は削除される公算が大きい。
アラブ首長国連邦(UAE)を拠点とするノボ・シオネマやVOXシネマなどはCNNMoneyの取材に対し、サウジ市場への進出を検討すると表明した。
同国はオイルマネー依存からの脱却を目指し、次の10年を見据えた経済の刷新を進めている。
映画館の解禁を機に、経済成長と多様化の促進、雇用機会の拡大、国民の娯楽の選択肢の拡大を目指し、900億リヤル(約2兆7000億円)の経済効果と数万人の雇用創出を見込む。
保守性が強い現在の社会では、娯楽の種類が極めて少なく、国民の多くは近隣諸国で休暇や余暇を過ごしている。サウジ政府はそうした出費を国内に呼び戻したい考え。
サウジではムハンマド・サルマン皇太子の主導の下、さまざまな規制が緩和されつつある。女性の車の運転が解禁されたほか、来年からは大手スポーツ競技場への女性の入場も認められる。