フェルプス、うつ病との闘いを語る 「命を絶たなくてよかった」
毎年10月の初めから11月頃、「何かがおかしい」と感じるような気分の波が襲ってくることに気付いた。「初めてうつの発作を経験したのは、たぶん04年のこと」と振り返る。
フェルプスさんはこの年、酒に酔って運転した容疑で逮捕された。
08年には北京大会で五輪史上最多となる8個の金メダルを獲得したが、それから数週間後の同年秋、大麻を吸っている現場を写真に撮られた。
薬物は「何かから逃げ出したい、逃げ出そうとする時の手段だった」と、フェルプスさんは言う。「逃げようとしてほとんど毎日、自分で自分を治療しているようなものだった」
五輪のたびに「爆発」のような発作に襲われたが、12年ロンドン大会の後は特に深刻だった。「水泳をしたくなかった。もう生きていたくもなかった」
数日間一人きりで寝室にこもり、何も食べずほとんど眠らずに、ただ生きるのがいやだとうずくまっていた。そしてついに、治療を受ける必要があることを悟った。
治療施設に入った初日は、これからどんな変化がやって来るのかと緊張して、ただ震えていた。