「野生のアリクイ」実は剥製、写真コンテストの授賞取り消し

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マルシオ・カブラル氏が剥製を使ったとして非難を浴びている

マルシオ・カブラル氏が剥製を使ったとして非難を浴びている

(CNN) 夜空に満点の星が広がるブラジルのエマス国立公園。蟻塚に群がる発光虫が夜の闇を照らし出す。その下には、そっと忍び寄るアリクイの姿――。そんな光景をとらえた写真家マルシオ・カブラル氏の作品「ナイト・レイダー」は、英自然史博物館が主催する野生生物写真コンテストで昨年、入賞を果たした。

ところが写真に写っているアリクイが、実は剥製(はくせい)だったことが分かったとして、同博物館は27日、授賞の取り消しを発表した。

同博物館は、「受賞作の動物が剥製である可能性をうかがわせる証拠が、第三者から当博物館に提示された」「徹底検証を行った結果、この訴えは真実であることが立証された」と説明している。

匿名の第三者から提示されたのは、カブラル氏がこの写真を撮影した国立公園のビジターセンター前に展示されているアリクイの剥製の写真だった。南米の哺乳類に詳しい専門家を含めて5人の専門家に検証してもらった結果、カブラル氏の作品に写っているアリクイは、ビジターセンターの剥製だったとの結論に至ったという。

CNNはカブラル氏にコメントを求めたが、返答はなかった。

カブラル氏は当初、問題の作品について、エマス国立公園で完璧な写真を撮影するため、3シーズンを費やしたと説明していた。

博物館によると、同氏は調査のために必要な資料などを全て提供し、被写体が剥製だったことは強く否定。このアリクイの目撃者はもう1人いるとも主張する一方で、受賞作の前後の場面をとらえた写真に1枚もアリクイが写っていない理由については説明できなかったという。

カブラル氏は、同博物館が主催する今後のコンテストへの参加を禁止された。

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