ビル・コスビー被告に有罪評決、性的暴行裁判で 米
ペンシルベニア州ノリスタウン(CNN) 米ペンシルベニア州の裁判所の陪審は26日、2004年に同州郊外の自宅で女性に薬を飲ませ性的暴行を加えたとして、著名コメディアンのビル・コスビー被告(80)に有罪評決を言い渡した。
3件の罪状全てについて有罪を言い渡した。量刑は各罪状につき最大10年ずつだが、服役は同時的に行われるとみられる。量刑言い渡しの日程はまだ決まっておらず、被告は現在も保釈中。
コスビー被告は有罪評決に対して目立った反応を示さなかったが、検察側がプライベート機の保有などを理由に保釈取り消しを求めた際には、立ち上がって大声で抗議した。
セクハラ告発運動「#MeToo」が昨秋に始まって以降、性的暴行に絡み著名人の裁判が行われたのは初。文化的運動が中心の「#MeToo」がどのように法廷闘争につながるかを占う試金石となった。
裁判で焦点となったのは、テンプル大学の元女性職員、アンドレア・コンスタンドさんの証言だった。コンスタンドさんはコスビー被告の自宅を14年前に訪れた際、被告から薬を飲まされ、性的暴行を受けたと証言していた。
これに対し、コスビー被告の弁護チームは証言は信頼性に欠けるとし、性的関係は同意の上のものだったと主張。コンスタンドさんは被告の財産を狙う「詐欺師」だとしていた。
コスビー被告はかつて「米国のお父さん」の愛称で知られていた。俳優としても活躍し、アフリカ系米国人の役者として初めてエミー賞を受賞している。
数十人の女性が性的な被害を訴えているが、刑事訴追につながったのはコンスタンドさんの件のみ。昨年行われた裁判では、陪審が全員一致の評決に達することができず、審理無効となっていた。