アカデミー賞「人気映画部門」新設へ、視聴率低迷の打開策?
(CNN) 米アカデミー賞を主催する映画芸術科学アカデミーは8日、新しく「人気映画部門」を新設する計画を発表した。
新部門の選考基準など詳細はまだ発表されず、いつから新設するのかも明らかにしていない。ただ、高い興行成績を収めた映画にアカデミー賞受賞のチャンスを与える狙いがあるのは明らかだ。
過去には「タイタニック」「ロード・オブ・ザ・リング 王の帰還」「フォレスト・ガンプ」などのヒット作が最優秀作品賞を受賞したこともある。
しかし、ここ数年は、興行収入で上位を記録しながら技術関連部門しか受賞できなかったり、アカデミー賞から完全に締め出されたりする作品が相次いでいた。数少ない例外として、「アメリカン・スナイパー」は米国内で3億5000万ドルの興行成績を上げ、最優秀作品賞にノミネートされた。
昨年の最優秀作品賞を獲得した「シェイプ・オブ・ウォーター」は、米国での興行収入が6300万ドルにとどまり、上映中の興行収入ランキングは10位が最高だった。
アカデミーはいわゆる人気映画に授賞対象を広げることによって、授賞式中継の視聴率を高めたい意向だ。視聴率は、「タイタニック」が受賞した1998年が最高だった。
しかし昨年の視聴率は史上最低を記録し、視聴者は2650万人と、前年より20%落ち込んでいた。
アカデミーはこのほかにも、2020年に行われる92回目の授賞式の放送日について、これまで予定していた2月23日から2月9日に早めると発表した。