興収記録も次々塗り替え、マーベルのスーパーヒーローがハリウッドにもたらした変革
ニューヨーク(CNN) 「スパイダーマン」や「キャプテン・アメリカ」などマーベルのスーパーヒーローの生みの親で、ポップカルチャーにも多大な影響を与えたアメリカンコミックの巨匠、スタン・リー氏が亡くなった。
マーベル・スタジオは2009年、ディズニーに買収されたが、マーベルが手掛ける作品は20作品連続で公開初週の興行成績で1位を記録している。ディズニーによる買収額は40億ドル(現在のレートで約4500億円)だったが、過去10年の興収は約180億ドルで、ハリウッドでも最も成功したブランドのひとつとなった。
マーベル・ブランドの作品は、20世紀フォックスやソニーからも配給されており、調査会社コムスコアによれば、マーベル作品の世界全体の興収は約300億ドルに達する。
リー氏によって生み出され記録を塗り替えた作品を紹介する。
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「X―メン」(2000年)と「スパイダーマン」(2002年)
「スーパーマン」(1978年)や「バットマン」(1989年)といった作品によってスーパーヒーロー映画が商業的な成功を収める可能性は示唆されていたが、「X―メン」(2000年)と「スパイダーマン」(2002年)によって、ハリウッドはアメコミが大きな収益をあげられることを学んだ。
X―メンによって、ヒュー・ジャックマンはスーパースターとなり、世界興収は約3億ドルとなった。トビー・マグワイアが主演したスパイダーマンが稼いだ初週の興収は当時の最高記録で、世界興収は8億ドルを超えた。
「アイアンマン」(2008年)
「アイアンマン」のロバート・ダウニー・Jr/Marvel Studios
リー氏が生み出したスーパーヒーローは2008年に映画業界を完全に変えてしまった。ロバート・ダウニー・Jrが主人公のトニー・スタークを演じた「アイアンマン」は、マーベルのスーパーヒーロー映画が共有する世界「マーベル・シネマティック・ ユニバース(MCU)」の誕生につながった。
「アベンジャーズ」(2012年)と「アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー」(2018年)
「アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー」/IMDB.com
「アベンジャーズ」シリーズの最初の作品が2012年に公開された。公開1週間の北米市場での興収は2億ドルを超えた。
続編である「アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー」(2018年)には過去の作品に登場したスーパーヒーローの大部分が登場する。興収は20億ドルを突破した。
「ブラックパンサー」(2018年)
「ブラックパンサー」の出演したチャドウィック・ボーズマンとルピタ・ニョンゴ/Marvel Studios
リー氏の作品はハリウッドの文化にも多大な影響を与えている。
例えば、今年公開された「ブラックパンサー」はマーベル作品としては初めてアフリカ系米国人が監督を務め、出演陣の多くもアフリカ系だった。