マーベル・コミックの生みの親、スタン・リー氏が死去 95歳
(CNN) スパイダーマンやキャプテン・アメリカなど、米国のスーパーヒーロー漫画の新時代を築いたコミック原作者、スタン・リー氏が12日に死去した。95歳だった。
リー氏の娘の弁護士によると同日の朝、ロサンゼルスの自宅から搬送された先の病院で息を引き取った。同弁護士はリー氏の死因を明らかにしていない。
1939年に漫画界でのキャリアをスタートさせたリー氏は、漫画の原作や編集、イラストレーターなどとして活動。60年代初めには、スーパーマンやバットマンといった従来のキャラクターと一線を画す新たなスーパーヒーローの創作を手掛けるようになる。
こうして生まれたのがスパイダーマンやハルク、アイアンマン、ソーなどのキャラクターたちだ。決して完全無欠ではなく、人間的な弱さや日常生活での困難を抱えているという設定は、それまでのヒーロー像にはみられないものだった。作品の舞台も架空の世界や都市ではなく、ニューヨーク市など実在の土地がそのまま描かれた。
61年から64年にかけて世に出たこれらのスーパーヒーローは多くがアニメ化、実写化され、テレビや映画で世界的なヒットを飛ばした。
72年からマーベル・コミックの発行人を務めるようになったリー氏は、同社の顔として知られる存在になる。マーベルのヒーロー映画の大半ではゲスト出演もこなした。
2006年のインタビューでは「スパイダーマンが現在のように世界的なヒーローになるとは全く思っていなかった。当時はとにかく漫画が売れて、仕事を続けられることだけを望んでいた」と振り返っている。