女優のアンナ・カリーナさん死去、79歳 「ヌーベルバーグ」の時代彩る
(CNN) フランスにおける映画の刷新運動「ヌーベルバーグ」が生んだ数々の作品に出演した女優のアンナ・カリーナさんが、がんのためパリで死去した。79歳だった。
カリーナさんの代理人がCNNに明らかにした。
カリーナさんは1940年9月22日、デンマーク生まれ。ヌーベルバーグの情報サイトによると、10代のころにわずかな資金だけをもってパリに移り、モデルの仕事を始めた。
せっけんのCMを撮影した際、後に映画監督となるジャンリュック・ゴダール氏と出会い、60年代以降同氏が監督した「小さな兵隊」「女と男のいる舗道」などに出演する。61年には、ゴダール作品の「女は女である」でベルリン国際映画祭の女優賞を受賞している。
ゴダール氏とは結婚したが、後に離婚した。
2018年3月、パリで写真撮影に応じるアンナ・カリーナさん/Thomas Samson/AFP via Getty Images
14日の死去を受け、フランスのマクロン大統領はカリーナさんに近しい人たちに向け弔意を表明。大統領府のウェブサイト上に声明を出し「フランス国民はその顔を長く記憶にとどめるだろう。彼女が映るとスクリーンは輝きを増し、見る者の心は燃え上がった。その声を通して我々は、彼女の魂が奏でる音楽を聴いた。そこには独特のリズムと旋律、彼女ならではのビブラートと声音があった」とその功績をたたえた。
リステール文化相はツイッターで「彼女こそがヌーベルバーグの顔であったし、これからもそうあり続ける」と語り、女優として「全世界を魅了した」とつづった。
このほかマスコミ関係者からも、温かみがあって機知に富んだ人柄などをしのぶツイートが相次いだ。
Son regard était le regard de la Nouvelle Vague. Il le restera à jamais.
— Franck Riester (@franckriester) 2019年12月15日
Chez Godard surtout, mais aussi Rivette ou Visconti, Anna Karina irradiait ; elle magnétisait le monde entier. Aujourd'hui, le cinéma français est orphelin. Il perd l'une de ses légendes. pic.twitter.com/HpYeAqATQZ