フランスで大規模ストライキ、混乱広がる 警官と衝突も
パリ(CNN) フランスのマクロン大統領が発表した年金改革に反発し、国内全土で大規模な抗議デモやストライキが実施されている。公共交通機関はまひ状態に陥り、デモ隊と警官隊が路上で衝突するなど、事態は暴力的な様相を帯びつつある。
首都パリではエッフェル塔のほか市内の学校の半分近くが閉鎖された。交通機関の運行は乱れ、抗議行動の激化を警戒する一部の商店や銀行は、窓を板でふさぐなどの措置を講じている。
警察はパリ全域に6000人の警官を配備。5日午後には黒づくめの過激なデモ参加者がごみ箱に火をつけたり警官にものを投げつけるなどの危険行為に及んだため、催涙ガスが使用された。午後3時半の時点で71人を拘束し、取り調べを行っている。
デモの混乱を受け、鉄道の9割が運休、国内便の2割が運航停止となった。パリ市内の地下鉄は16路線中11路線が完全に閉鎖され、国際高速鉄道のユーロスターは5、6日両日の運行を通常の半分に減らすとしている。
ストライキがいつまで続くのかは予断を許さない状況だ。数日で終わるとの見方もあれば数週間にわたる可能性も出ている。団体によってはクリスマスまで混乱が続くと予測するところもある。
世論調査会社によれば、フランス国民の7割がストライキを支持すると回答。マクロン大統領の支持率は33%前後と低迷している。