強制収容された日系米国人の作品、抗議受け米イーベイの競売中止
2015年にはニュージャージー州のオークションハウスが絵画や写真、手づくりのジュエリーなど約450点の競売を予定していたが、日系米国人団体の抗議を受けて中止を決め、作品は全米日系人博物館が所蔵することになった。
カリフォルニア州に住む日系米国人3世のローリー・マツムラさんは、今回イーベイに出品された作品について、マンザナー史跡のレンジャーから聞いた話で初めて知った。
マンザナー収容所に収容されていたローリーさんの祖父マツムラ・ギイチさんは、山に出かけてスケッチに立ち寄った後、行方が分からなくなった。ローリーさんの父のマサルさんも画家だった。スケッチに「マツムラ」の署名があったことから、レンジャーはこれがギイチさんかマサルさんの作品かもしれないと考えたという。
イーベイに出品された絵画を見て父の作品だと思ったというローリーさんは当初、オークションで作品を競り落とすことも考えた。しかし「自分の家族の作品を取り戻すために入札しなければならないと考えると怒りが込み上げてきた」
マンザナー収容所には「マツムラ」という名の一家が複数収容されていた。作品が自分の家族のものだというローリーさんの主張はまだ確認されていない。