ジョコビッチ選手は豪当局から「囚人のような扱い」、母親が訴え
(CNN) 男子テニス世界ランキング1位、ノバク・ジョコビッチ選手(セルビア)の母親は6日、同国の首都ベオグラードで記者会見を行い、息子はオーストラリア当局から「囚人のような扱い」を受けていると訴えた。
CNN提携局のセブンネットワークとナインニュースによると、ジョコビッチ選手は全豪オープンを前に入国ビザ(査証)を取り消され、メルボルン市内のホテルに移送されたとみられている。
このホテルは以前、オーストラリア政府が新型コロナウイルス患者の隔離施設に使っていたもので、現在は難民や亡命希望者のための収容代替施設(APOD)として利用されている。
母親はジョコビッチ選手と6日に短時間話し、眠れないと言われことを明らかにした。「昨日からひどい気分だ。この24時間、彼らは息子を囚人として留め置いている。公正ではないし、人間的な扱いではない」と訴えた。
さらに、現在の施設を「小さな入国管理ホテル」「非常に汚く食事もひどい」と形容。「(当局は)彼が既に借りているもっと良いホテルや家に移るチャンスを一切与える気がない」とした。
ジョコビッチ選手はワクチン接種状況を公表していないものの、オーストラリアのモリソン首相は6日の記者会見で、同選手は入国時のワクチン接種要件に対する「正当な医学的免除を有していない」と述べた。
統計サイト「アワー・ワールド・イン・データ」によると、セルビアの新型コロナワクチン接種完了率は46.76%。
ジョコビッチ選手の弁護団は、オーストラリア国境警備隊のビザ取り消し決定に対する緊急差し止めを求めている。ロイター通信や公共放送ABCによると、連邦裁判所は同選手のオーストラリア滞在を認めるか国外退去を命じるかの判断を10日まで持ち越した。