ロシアの15歳のカートドライバー、表彰台でナチス式敬礼か
(CNN) ロシアのカートドライバー、アルテム・セベリューヒン選手(15)は12日までに、レースで優勝した際、表彰台でナチス式敬礼を行ったことを否定した。
同選手は10日、ポルトガルのポルティマンで開かれた国際自動車連盟(FIA)主催のカートの欧州選手権で優勝。ネットに公開された動画には、表彰台に上がった同選手がイタリア国歌の流れる中、右手で自分の胸を叩き、そのまま腕を真っすぐ前方に伸ばす様子が映っている。
ロシアによるウクライナ侵攻を受け、FIAはロシア人のドライバーが自国の旗を提示して競技するのを禁止。セベリューヒン選手はイタリアを代表するドライバーという形で出走を認められていた。
映像はこの後、カメラに映っていない群衆に向かって満面の笑みを浮かべるセベリューヒン選手を捉えている。
ロシア自動車連盟(RAF)がCNNに送ったビデオメッセージの中で、セベリューヒン選手は謝罪する意向を表明したもののナチス式敬礼をしたわけではないと説明。
ナチスについては「人道に対する最大の罪の一つ」と認識しているとしたうえで、表彰台では群衆の中にいた人々と優勝を祝っていたと付け加えた。
「自分の愚かさは理解しており、罰を受けるのも覚悟しているが、どうか信じてほしい。意図的に取った行動ではない。ナチズムや人種差別主義を支持するものでは全くない」(セベリューヒン選手)
FIAは「容認できない行動」として即時調査を開始したことを確認。また「近いうちに本件に関してさらなる措置を講じるかどうか伝える」と明らかにした。
RAFは本件を認識しているとしたうえで、受け入れられないとの考えを表明。たとえ偶発的であれ、ロシアのモータースポーツ界やロシア人アスリートの間でファシズム並びにナチズムに関わる意思表示が行われるのは容認できないとした。
セベリューヒン選手が所属するスウェーデンのレーシングチームは公式の声明で同選手の行動を非難し、契約を打ち切る方針を明らかにした。またこの件で傷ついたり不快感を覚えたりした人たちに対して謝罪したいと言い添えた。