国際試合でデモ支持のジェスチャー、選手の処分を示唆 イランサッカー連盟
(CNN) 先週末に開催されたビーチサッカーの国際大会で優勝したイラン代表チームの選手が、決勝ゴールを決めた後、反政府デモへの支持を示すジェスチャーを見せて波紋を呼んだ。イランのサッカー連盟は選手への処分を示唆している。
イラン代表チームは6日、アラブ首長国連邦(UAE)ドバイで開かれた「インターコンチネンタル・ビーチサッカー・カップ」の決勝戦でブラジルを破り、優勝した。
同チームのサイード・ピラムーン選手はこの試合で決勝ゴールを決めた後、髪を切るまねをしてみせた。
イランでは現在、髪を隠す「ヒジャブ」の着け方が不適切だとして風紀警察に拘束された女性の死をめぐる抗議デモが広がっている。髪を切る動作には、このデモを支持し、女性の自由を求める意味が込められている。
イランの選手らは試合前、自国の国歌が演奏された時も歌っていなかった。
イランのサッカー連盟はこれに対し、「プロスポーツの倫理に従わない者には規則に沿って対処する」との声明を発表。同国や国際サッカー連盟(FIFA)のルールにより、競技の場では政治的な行動を慎むことが求められていると述べた。
英BBC放送のペルシャ語版が流した動画には、イランに帰国した代表チームに記者らが話しかけようとして制止される場面が映っていた。
イランのスポーツ界では、スポーツクライミングの女子選手が先月、韓国での大会にヒジャブを着けずに出場。このほかハンドボールや女子ラグビー、フェンシング、テコンドーの選手が政府に抗議し、代表チームを離れた。レスリングの五輪金メダリスト、ラスール・ハデム氏は先日、行動を起こすすべてのアスリートを応援すると表明した。