デモ弾圧、子ども含む10人死亡か イラン南東部
(CNN) 国際人権団体アムネスティ・インターナショナルによると、イラン南東部シスタン・バルチスタン州の都市ハーシュで4日、治安部隊がデモ隊を弾圧し、子どもを含む10人が死亡した。
アムネスティは同日、複数のツイートを通し、治安部隊が知事室の屋上など数カ所から、平和的なデモ隊に対して実弾を発射したと伝えた。
同州はパキスタン、アフガニスタンとの国境沿いに位置する。イランの少数派であるイスラム教スンニ派のバルーチ人が多く住み、暴動が繰り返されてきた。
同国では風紀警察に拘束されたクルド系女性の死をめぐる抗議デモが各地に広がっているが、シスタン・バルチスタン州では最近、州都ザヘダンの警察責任者がバルーチ人の少女を強姦(ごうかん)したとされる事件に対し、大規模なデモが発生。同責任者が解任された後もデモは続き、3日にはザヘダンでシーア派の聖職者が覆面グループに射殺されたと報じられるなど、緊張が高まっている。
アムネスティはイラン当局に治安部隊の統制を求めたうえで、国連加盟国はただちにイラン大使に懸念を伝え、国連人権理事会(UNHRC)による調査団の設置を支持するべきだと訴えた。
イランの教員組合も4日、ハーシュで治安部隊がデモ隊に発砲し、参加者少なくとも16人が死亡したとツイートした。
CNNが改革推進派の通信社イランワイヤから入手した現地の動画には、大きな銃声が響くなか、複数のデモ参加者が負傷し、意識不明で横たわる場面が映っている。
一方、政府系のファルス通信はツイッターに、焼け焦げた車や損壊した建物の画像を「暴徒による被害」として投稿。政府機関の建物やパトカー、ほぼすべての銀行が放火されたと主張した。