抗議デモ関与の罪で1000人が公判に、政府批判のラップ歌手も逮捕 イラン
(CNN) イランで22歳の女性の死をきっかけに全土に広がったデモに関連して、国営イラン通信(IRNA)は1日、首都テヘラン地区で約1000人がデモに関与した罪で訴追されたと伝えた。今後数日のうちに公判にかけられるとしている。
イランのメディアは先に、デモ参加者数人の裁判が数日前から始まったと伝えていた。
IRNAによれば、デモ参加者は警備員に対する暴行や公共施設への放火などの罪に問われ、革命裁判所で裁判にかけられる。
政府系のイラン学生通信(ISNA)は、10月29日の時点で起訴された人数はテヘラン地区で315人、それ以外の地域では700人あまりと伝えていた。
イラン当局は、国内で6週間以上も続くデモを終わらせようと、摘発の姿勢を強めている。
発端はクルド系女性のマフサ・アミニさん(22)が9月中旬、道徳警察に拘束されて死亡したことだった。この事件をきっかけとして、イラン全土で反政府デモに火が付いた。
革命防衛隊(IRGC)のホセイン・サラミ司令官は10月29日、デモ隊に対し「邪悪から離れろ。暴動は今日が最後だ。もう街頭に出るな」と通告。抗議デモを米英などが絡む「陰謀」と位置付けた。
さらに、「大学を国家に対する米国の戦場にするな」と呼びかけ、「少数の学生が外国の声に同調している」と非難した。