各地の大学キャンパスで抗議デモ、治安部隊と衝突 イラン
(CNN) イランの人権団体などによると、国内各地の大学キャンパスで30日、学生らが抗議デモを展開し、鎮圧を図る治安部隊と衝突した。
CNNが改革派の通信社イランワイヤから入手した動画には、2人の警官がデモ参加者を拘束しようとしたとされる場面が映っている。北西部クルディスタン州のサナンダジ工科大で撮影された動画だという。
別の動画では、首都テヘランにあるテヘラン大学の学生らが「今は喪に服すより怒る時だ」と唱えて行進している。
国営イラン通信(IRNA)は、同大学の学生や教授らがこの日、南部シラーズの寺院で先週起きたテロなどに抗議する大規模なデモを行ったと報じた。
複数の活動家グループによると、テヘランのアザド大学では、デモ参加者とイスラム革命防衛隊(IRGC)傘下の民兵組織「バシジ」のメンバー、私服警官らの間で衝突が起きた。
活動家グループ「1500タスビル」がSNSに投稿した動画には、棒を持つなどした大規模なデモ隊に向かって催涙弾が投げ込まれる場面もあったが、だれが投げ込んだのかは確認できない。
1500タスビルはまた、サナンダジ女子工科大の前に出動した治安部隊の動画も投稿した。
少数民族クルド人の権利団体がサナンダジのクルディスタン大学付近で撮影されたとして投稿した動画では、銃声が響いている。
ノルウェーに本拠を置くNGO「イラン・ヒューマン・ライツ」は30日、各地で私服の部隊が大学キャンパスに侵入し、平和的な学生デモを暴力で弾圧しているとの非難声明を出した。
イランでは風紀警察に拘束されたクルド系女性の死をめぐる抗議デモが続くなか、IRGCの司令官が29日、若者らに「きょうが暴動の最終日だ。もう出てくるな」と警告していた。