死亡した16歳少女の追悼、治安部隊が群衆に銃や催涙ガス使用 イラン
(CNN) イランの首都テヘランで先月デモに参加した後行方が分からなくなり、遺体で見つかったニカ・シャカラミさん(享年16)の追悼行事で、治安部隊が集まった群衆に対し銃や催涙ガスを使用した。その様子を映したSNS上の動画の位置情報をCNNが確認した。
動画には追悼者らの集まった橋の近くで、催涙ガスとみられる煙が上がる様子が映っている。SNSで共有された別の動画では、銃声とみられる音も聞こえる。死傷者の有無は不明。
これに先立ち、シャカラミさんの母方のおばはインスタグラムに写真を投稿し、ロレスタン州の墓地で27日、死後40日の追悼行事が行われると明らかにしていた。
動画に映る追悼者らはシャカラミさんの写真を掲げ、「私たちはみなニカ、戦おう」「独裁者に死を」などと連呼。イランの最高指導者ハメネイ師に言及して「ハメネイに死を」と叫ぶ場面も見られる。
イランでは先月、クルド系女性のマフサ・アミニさん(享年22)が道徳警察に拘束された後、国の勾留施設で死亡。これをきっかけに各地で抗議デモが発生した。シャカラミさんが行方不明になったのは、こうしたデモの一つに参加していた時のことだった。
CNNは27日、シャカラミさんの最後の数時間に関する独自調査の結果を公表した。
テヘラン検察は当初、シャカラミさんはビルの屋上から投げ落とされて死亡したと述べ、デモとは無関係との見方を示していた。ただ、殺人事件と断定した様子にもかかわらず、捜査中の容疑者がいるかどうかには言及していなかった。
CNNが入手した数十の動画や目撃者の証言によると、シャカラミさんは事件当日の夜、治安部隊に追いかけられ拘束されたとみられる。目撃者の一人はCNNに対し、シャカラミさんはデモ中に大柄の私服警備員数人に拘束され、車に押し込まれたと証言した。