米ゴールデングローブ賞、論争経て中継再開 スピルバーグ監督作などが作品賞
(CNN) 米アカデミー賞の前哨戦とされるゴールデングローブ賞の授賞式が10日夜に行われ、スティーブン・スピルバーグ監督の自伝的作品「フェイブルマンズ」と控えめな演出の時代物「イニシェリン島の精霊」が主要な賞を受賞した。
司会のジェロッド・カーマイケルは中継の冒頭、昨年のテレビ放送が中止される原因となった論争に言及。「苦境に追い込まれた白人組織の黒人の顔」と自己紹介した。
ゴールデングローブ賞を巡っては昨年、米紙ロサンゼルス・タイムズが主催団体「ハリウッド外国人記者協会(HFPA)」の人種的多様性の乏しさや会員の倫理的問題を指摘し、NBCテレビが中継を取りやめる事態になっていた。
カーマイケルが冒頭で「私がここにいるのは黒人だからだ」と語ると、会場のホテルにいる聴衆からは居心地の悪い笑い声が漏れた。
HFPAは昨年の報道を受け、様々な改革を実施して批判に対応。ハリウッドは慎重ながらも中継の再開を受け入れた。ゴールデングローブ賞を受賞すれば、混戦模様のアカデミー賞レースで優位に立てるとの思惑も働いた。
ゴールデングローブ賞は2作品に作品賞を与える独特の方式を採用する。「フェイブルマンズ」はドラマ部門の作品賞に輝いたほか、スピルバーグ監督は3度目の監督賞を受賞。「イニシェリン島の精霊」はミュージカル・コメディー部門の作品賞に選ばれ、脚本のマーティン・マクドナーと主演のコリン・ファレルにも賞をもたらした。