サッカーNZ代表、カタール戦の後半を放棄 「選手に差別発言」
(CNN) サッカーのニュージーランド代表は19日、ウィーンで開催されたカタールとの親善試合で、選手の1人が相手選手から人種差別発言を受けたとして、後半戦を放棄した。
ニュージーランドのサッカー協会は直後にSNS上で、前半40分にカタールの選手がサモア系のDFボクソール選手と争った後、人種差別的な言葉を浴びせたと説明。チームの数人がこれを聞いて報告したが、正式な処分がなかったため、チーム全体が後半を放棄することで合意したと述べた。
前半の試合はニュージーランドが1―0でリードしていた。
同協会のプラグネル最高経営責任者(CEO)は声明で、選手たちが決めた行動を全面的に支持すると表明。「試合放棄が望ましいとは決して思わないが、サッカーより大きな問題もあり、立ち向かうのは重要なことだ」と強調した。
一方カタールのサッカー協会はSNS上で、ニュージーランド代表が試合を途中で放棄したことを認めたが、差別発言の主張には言及しなかった。
国際サッカー連盟(FIFA)の報道担当者はCNNに、試合の報告が届くのを待って精査するとの方針を示した。
カタール代表のケイロス監督は国内スポーツ局に、選手2人の間で起きたことで、どちらが先かは本人たちしか分からないとコメント。ニュージーランド側は証人のいないまま試合放棄を決め、スタッフもこれを支持したが、カタールは自国の選手を支持すると表明した。
欧州サッカーの反差別団体FAREは「サッカー界が差別の新たな波、あるいは新たな危機に襲われている証拠だ」と述べた。