サッカー女子のスペイン代表、初の女性監督就任へ W杯優勝の前監督は解任
(CNN) スペインサッカー連盟は6日までに、女子代表チームの監督に初めて女性を任命する意向を発表した。この数時間前には、チームをワールドカップ(W杯)優勝に導いたホルヘ・ビルダ監督を解任していた。
スペインのサッカー界では、連盟のルイス・ルビアレス会長がW杯の表彰式で女子選手に対し一方的にキスした問題が尾を引いている。今回監督に就任するモンツェ・トメ氏は、ビルダ氏のアシスタントを務めていた。監督としてのデビューは今月22日のスウェーデン戦になる予定。
監督交代は、先月20日に起きたルビアレス氏のキス問題以降連盟が取り組んでいる大規模な刷新の一環だ。同氏は自らの行動を謝罪したものの、キスが一方的なものだったとは認めていない。当該の選手はこの見方を否定し、自分への敬意がなかったと主張した。国際サッカー連盟(FIFA)はルビアレス氏を90日間の資格停止とし、その間に懲戒手続きを進めるとしている。
ビルダ氏は2015年以降、女子代表の監督を務めてきた。連盟は解任を発表する声明の中で、W杯制覇を成し遂げた同氏を称賛。スペイン女子サッカーの目覚ましい成長にとって重要な役割を果たしたと述べた。
しかしピッチ上の成功とは裏腹に、一部の主力選手との間では長く険悪な関係が取り沙汰されてもいた。W杯の準々決勝、準決勝で勝利した後ソーシャルメディア上に出回った動画には、複数の控え選手が監督とスタッフに対して冷淡な反応を見せる様子が映っている。
昨年9月には選手15人が署名入りの書簡を連盟に送り、コーチングスタッフを全て入れ替えなければ代表でプレーしないと訴えていた。書簡は具体的な理由に言及していないが、代表チーム内の「状況」が選手の「心の状態」や健康に影響を及ぼしていると主張。当該の「状況」については連盟も「認識している」との見解を示していた。
署名入りの書簡を出した15選手のうち、今回のW杯でメンバー入りしたのは3選手のみだった。