米NBCニュース、共和党全国委元トップの起用撤回 番組司会者らの反発受け
ニューヨーク(CNN) 米NBCニュースは26日、共和党全国委員会(RNC)の委員長を務めていたロナ・マクダニエル氏を番組で起用しない方針を明らかにした。同氏は22日に有給の政治アナリストとして雇用されたばかりだったが、局内の看板司会者らからの強い反発を受け、降板に至った。
局内での反発は、マクダニエル氏が2020年大統領選の結果転覆の取り組みに関わり、メディアを攻撃していたことに由来する。
NBCユニバーサル・ニュース・グループのセザー・コンデ会長はスタッフ向けのメモの中で、数多く寄せられた正当な懸念の声を聞いた後、マクダニエル氏をNBCニュースの番組に起用しないことを決めたと説明した。
その上でスタッフらを落胆させたことについて、個人的に謝罪する意向を表明。マクダニエル氏の雇用は一部首脳陣からの推薦によるものだったが、最終的に決定したのは自分であり、その全責任を負うと認めた。
局の決定に先駆け、マクダニエル氏は26日、NBCとの将来的な法廷闘争に向けて弁護士との面会にその日を費やした。事情に詳しいある人物がCNNに明らかにした。同氏とNBCとの契約を仲介したタレント事務所も、同氏との関係を解消したという。
マクダニエル氏の起用撤回は、NBCとそのケーブルニュース専門局MSNBCの記者や司会者が同氏を雇用する判断を公然と非難したことで実現した。番組放送中に司会者らが局の首脳陣を叱責(しっせき)する異例の事態ともなっていた。
マクダニエル氏は最近、トランプ前大統領の圧力を受ける形でRNC委員長を辞任した。20年の大統領選では結果を転覆する試みに関与。選挙には「複数の問題」があり、バイデン氏は正当な勝者ではないとの主張を続けていた。