俳優ルイス・ゴセット・Jr死去、「愛と青春の旅立ち」で鬼教官役
(CNN) 米人気映画「愛と青春の旅立ち」で黒人としては初めてアカデミー賞助演男優賞に輝いていた米俳優のルイス・ゴセット・ジュニアさんが死去したことが30日までにわかった。家族が声明であきらかにした。87歳だった。
死因は伝えられていない。
1983年公開の同映画ではパイロットを目指して海軍士官養成学校に入学している候補生を猛訓練でしごく教官役を務めていた。主役だった米俳優のリチャード・ギアさんは訃報(ふほう)に接し、「俳優業を非常に真剣に受け止めていた。役作りも徹底しており、1日24時間、教官になりきっていた」としのんだ。
1977年には、黒人奴隷問題を描いてヒットしたテレビドラマシリーズ「ルーツ」にも出演。同作品はエミー賞を受賞していた。この他、多数の映画やテレビドラマにも出ていた。
ハリウッド映画のデビュー作は「黒い一粒のプライド」で、主演を務めた故シドニー・ポワチエはその後、別の作品で黒人初のアカデミー賞主演男優賞を得ていた。
ルイス・ゴセット・ジュニアさんはニューヨーク市のブルックリン生まれで、ニューヨーク大学で演劇を勉強。最初は舞台俳優だったが、その後、映画に進出していた。俳優を志したのは高校時代の英語教師の導きがあったためとも明かしていた。
約193センチの身長を生かして高校時代などにバスケットボールにも情熱を注ぎ、米プロバスケットボール協会(NBA)のクラブであるニューヨーク・ニックスの注目を集めたこともあった。
1990年代には人種差別を根絶させる団体の創立も支援。ハリウッドで自らが人種差別を受けた経験も告白していた。