金メダル6個の英クリス・ホイさん、余命2~4年 末期がんと診断
(CNN) オリンピック(五輪)の自転車トラック競技で6個の金メダルを獲得した元英国代表のクリス・ホイさん(48)が、末期がんで余命2~4年と診断されたことを明らかにした。
英紙サンデー・タイムズによると、ホイさんは肩の痛みを感じて昨年9月に病院を受診した。検査で腫瘍(しゅよう)が見つかり、2度目の検査で前立腺がんが骨にまで転移していることが判明。肩、骨盤、股関節、脊椎(せきつい)、肋骨(ろっこつ)にも腫瘍が見つかった。
「不自然に思えるけれど、これが自然だ。私たちは誰もが生まれて、誰もが死ぬ。これはその過程の一部にすぎない」。ホイさんはサンデー・タイムズにそう語り、「私は大抵前向きだし、心から幸せだ。これはオリンピックより大きい。何よりも大きい。これは人生に感謝して喜びを見つけること」と言い添えた。
ホイさんはさらに、自身ががんと診断された1カ月後に、妻のサラさんが多発性硬化症と診断されたことを明らかにした。「なんで自分が? どうなってるんだ? 現実とは思えなかった。あまりに大きな衝撃だった」
ホイさんががんと診断されたことを公表したのは今年2月。この時点で詳しいことは明らかにしていなかった。
ロンドン五輪でも二つの金メダルを獲得したクリス・ホイさん/Clive Brunskill/Getty Images
オリンピックデビューは2000年のシドニー大会だった。この時はチームスプリントで銀メダルを獲得し、04年のアテネ大会は1000メートルタイムトライアルで初の金メダルを獲得。08年の北京大会では3種目で金メダル獲得を果たし、12年のロンドン大会でさらに二つの金メダルを手にして引退した。
引退後はBBCで解説者を務め、現在はデンマークで開かれている自転車選手権を取材。20日にはBBC取材班の写真をインスタグラムに投稿し、「私は元気で前向きです。皆さんの愛情や支援に圧倒されています。前へ!」と書き添えた。