権力に固執するアサンジュ氏、犠牲となったウィキリークス
インターネット上では、障害点を避けながら情報を動かすことが容易なため、オンライン上の言論を検閲するのは非常に困難だ。その利点を生かし、ウィキリークスはアフガニスタン戦争やイラク戦争に関する重要文書や米国務省の内部文書を次々と公開し始めたが、それを止めるのは不可能だった。
米政府は、アマゾンなどの米国企業に圧力をかけ、ウィキリークスへのウェブサービスの提供を止めさせようとしたが、ミラーサイトが次々と立ち上がり、ウィキリークスのメインサイトが削除された後も公開情報は閲覧可能な状態に置かれた。
いかなる政府の脅しも受けることなく、あらゆる公的不正を暴くために、誰でも安全にかつ匿名で内部告発できるというウィキリークスの考えは誰にも止められないかに見えた。
しかし、これまでに明らかになったように、ウィキリークスはインターネットとは違い、組織自体に障害点を抱えていた。アサンジュ容疑者は私生活で直面した危機の対応を誤り、最も親密な協力者たちの信頼を失った。ドムシャイトベルク氏やヨンスドティル氏が協力をやめただけでなく、「設計者」もウィキリークスが匿名の内部告発情報を安全に受け取るためのソフトを持ち去った。
本記事は「ウィキリークス革命―透視される世界」の著者、ミカ・L. シフリー氏による寄稿です。記事における意見や見解はシフリー氏個人のものです。