戦闘機から猫まで――冒険心そそる装着式カメラ「GoPro」、一般向けに売り込み
(CNN) 2010年にチリの鉱山事故で地下に閉じ込められた作業員33人の姿を撮影し、高度約3万9千メートルからの超音速スカイダイビングを記録し、海中でサメの口の中の撮影も――。そんな場面に活躍してきた小型の装着式ビデオカメラが、日常生活でも楽しめるカメラとして一般向けに売り出されている。
「GoPro」は耐衝撃・防水性能を備えた小型カメラで、ほぼどんな場所にでも装着できる。このほど発表された最新モデルの「HD Hero3」は、従来モデルに比べて30%小型化され、高画質の動画や静止画、音声の撮影が可能。米国での価格は200~400ドル(約1万6000~3万2000円)。テレビCMや広告も展開し、一般向けの売り込みに力を入れる。
同社はサーファーのニック・ウッドマン氏が2002年に創業。高画質のアクションカメラというニッチ市場に焦点を絞り、大手の独占状態にあったカメラ市場に切り込んだ。約300人の社員はサーファーやスカイダイバーなどの冒険好きが多数を占め、GoProで撮影した写真を動画共有サイトに投稿したり、有名スポーツ選手に採用してもらったりして宣伝に努めている。
カモメがGoProを拾い上げてフランスの城の屋根に舞い降りた映像や、米サンフランシスコ上空を飛びながらベイエリアの夕日を撮影した映像、アフリカの草原を自転車で横断中にガゼルに飛びかかられる瞬間をとらえた映像も話題になった。
スポーツ分野だけでなく、赤ん坊や猫の姿といった日常生活の撮影でも利用者が創造性を発揮。レース用ヨット、ジェット戦闘機やロケット、気象観測気球などにも取り付けられ、実用分野での採用も広がっている。