ホテルの予約はもう不要? 駆け込み急増で専用アプリが活況
こうした流れを牽引(けんいん)するのは米サンフランシスコに拠点を置くホテル・トゥナイト社で、事業拡大のため4500万ドルを調達した。さらに、独ベルリンに本拠を構えるジャストブック社も全米5都市でサービスを開始したほか、クーポン共同購入サイト大手の米グルーポンも先ごろ欧州向けのアプリを手がけるブリンク社を買収した。
ただ、こうした駆け込み予約アプリの急増が業界全体にとって果たして本当に好ましい事態であるのか危惧する声もある。
アプリは大抵ユーザーに対して標準価格以下の値段を提示しているが、MTTのサミュエルズ氏によれば、最悪のシナリオは、利用者が予約アプリの好条件を織りこんで、早めの事前予約そのものをやめてしまうことだ。
こうなると空き室などの管理ができなくなり、ホテル業界には危機的な事態だ。また、グルーポンをめぐって起こった問題、つまり、ブランドイメージの毀損(きそん)や適正価格の破壊などにまつわる懸念も払拭(ふっしょく)できていない。
このような批判に直面するホテル・トゥナイト社だが、同社は個々のホテルを守るための施策を打ち出し、ホテル業界全体にとって予約アプリの存在が不可欠だと主張する。
駆け込み予約アプリの良いところは、独立系の中小ホテルが潜在顧客を発掘できるところにあるという。