米英の情報機関、ネットゲームに「潜入」してテロ監視か
(CNN) 米英の情報機関の工作員が人気ゲームの世界に入り込み、テロ監視活動を行っていたとみられることが10日までに分かった。米国家安全保障局(NSA)の活動にかかわっていたエドワード・スノーデン容疑者が流出させた2008年の資料を根拠として、英紙ガーディアンや米紙ニューヨーク・タイムズが伝えた。
ガーディアンによると、米中央情報局(CIA)や連邦捜査局(FBI)、国防総省、および英政府通信本部(GCHQ)の要員は、人気オンラインゲーム「ワールド・オブ・ウォークラフト」や「セカンドライフ」などの世界に潜入したり、マイクロソフトのゲームサービス「エックスボックス・ライブ」で情報を収集していたとされる。
NSAの資料では、オンラインゲームの世界には「標的」が豊富に存在し、テロリスト同士のあからさまな通信が行われていると指摘。ゲーム内で活動する政府の工作員同士が互いを監視し合う事態を避けるため、「衝突回避」グループも作成されていたという。
ゲームの監視が実際にテロ活動の阻止につながったことがあるかどうかは不明。
ワールド・オブ・ウォークラフトはピーク時の2010年当時で約1200万人が加入していた人気ゲーム。現在でも加入者は700万人を超えている。
ゲームを運営するブリザード・エンターテインメント社はガーディアンの取材に対し、「もし(監視活動が)行われていたとすれば、当社の知らないうちに、許可なく行われていた」とコメントしている。