英情報機関、「母親スパイ」募集 育児情報サイトに広告
ロンドン(CNN) 英国情報機関の対外情報部(MI6)が同国の育児情報サイト「Mumsnet」に要員募集の広告を掲載し、話題となっている。
新たに募る要員の資質としては、創造力、洞察力、好奇心、共感や直感力の重要性を強調。国籍は英国人で、人生の経験が豊富で分別ある人材を期待するともした。海外勤務の可能性にも言及した。
同サイトの広報担当者は、この広告への読者の反応は大きいと明かし、他の人材募集広告より多い志願者が出ていると述べた。
母親は男性同様、論理の構成力や分析力を持つと同時に、日常的に直感力、共感、感情的な抑制を働かせていると指摘。「MI6がスパイとして彼らを欲するのはこの資質のためだろう」とし、「母親は子どもを見張るため後頭部に目を備えなければならない」生活にあるとも付け加えた。
同サイトでは今回の募集広告について様々な反応があった。日常の子育てに追われている中で情報機関要員になるのはとても無理との意見や、会話の全ての言葉を覚えられる記憶力などを誇ってスパイになれるかもしれないが車の運転が出来ないなどの書き込みが見られた。
英国議会の委員会は今年、情報機関の人員は同等の資質や能力などがあっても男性に大幅に偏っていると警告。Mumsnetを通じて人材確保を図るよう促していた。英情報機関要員のうち女性が占める割合は約3分の1程度とされる。
同委員会の委員長を務める議員は今年3月、女性要員を増やす多様化の追求は情報分析能力を向上させ、英国が直面する多くの脅威への対応の改善につながるとの報道発表文を出していた。