インテルのA・グローブ元会長が死去、PCのパイオニア
ニューヨーク(CNNMoney) 米インテルを半導体大手に成長させ、パーソナルコンピューターブームの牽引(けんいん)役だったアンディ・グローブ元会長が死去したことが22日までに分かった。79歳だった。
グローブ氏の本名はアンドラーシュ・グローフ。ハンガリーのブダペストに生まれ、旧ソ連の抑圧を逃れて1956年に米国に移住、63年にカリフォルニア大学バークリー校の博士課程を修了した。
インテルには、フェアチャイルド・セミコンダクター時代の上司だった創業者のゴードン・ムーア氏に誘われて68年の創業当初から加わり、79年に社長、87年に最高経営責任者(CEO)、97年に会長に就任。2005に引退した。
同氏はインテルの主力製品をメモリーからCPUへと転換させた中心人物で、有名なキャッチフレーズ「Intel Inside(インテル入ってる)」も同氏の下で生まれ、1990年代のパーソナルコンピューター最盛期を象徴する用語となった。
グローブCEO時代のインテルは、売り上げが約20億ドルから260億ドルへと13倍に増加。IT業界でもPCの普及に貢献した人物として称賛され、アップルのティム・クックCEOなどが追悼談話を寄せている。
健康面では闘病生活も長く、パーキンソン病を患っていたほか96年には前立腺がんと診断され、実験的治療を受けてがんを克服した。
インテルのブライアン・クルザニッチCEOは、「アンディは幾度となく不可能なことを可能にし、何世代にもわたって技術者や起業家やビジネスリーダーを鼓舞してきた」とする追悼談話を発表した。