アイデア勝負、日本が仕掛けるウェアラブル技術の新潮流<上>
犬の気持ちが一目でわかる
「イヌパシー」は、犬と飼い主とのコミュニケーションを可能にする犬用のハーネス(胴輪)。同名の企業の運営するクラウドファンディングで一定金額を寄付すると入手できる。
このハーネスは心臓モニターに加え、ノイズ・キャンセリング(雑音除去)機能を搭載し、犬の心臓の鼓動を雑音と区別し、食べ物、ゲーム、人、おもちゃといった刺激に対する犬の反応を追跡する。このデータを基に犬の気分を評価し、ライトの色の変化で飼い主に知らせる仕組みだ。
イヌパシーは6色のLEDライトを搭載し、犬がリラックスしていると青、興奮していると赤、ハッピーだと虹色に光る。
この端末を販売するイヌパシーの最高経営責任者(CEO)、山口譲二氏は、自身が飼っているコーギー犬の「あかね」くんから開発のヒントを得た。生物学者でもある山口氏は、臆病な子犬だったあかねくんの不安をもっと理解したいと考え、あかねくんの心拍数を監視するためにイヌパシーを開発した。
山口氏は、このイヌパシーのようなウェアラブル健康管理技術は、いずれ人間にも応用されると見ている。
例えば、気分が落ち込む前に特定の行動を取る人の場合、その行動から気分の落ち込みを事前に予測できれば非常に有益だ。山口氏は、いずれ個人向けに機能する人工知能(AI)が開発されればそのようなことも可能になると考えている。
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