古いiPhoneの反応速度低下、米アップルが意図を説明
ロンドン(CNNMoney) 米アップルは21日、異例の声明を発表し、ソフトウェアのアップデートを使って古いiPhoneの性能に制限を加えていたことを確認した。こうしたiPhoneは、バッテリーに問題が起きて電源が不意に落ちてしまうことがあった。
業界の専門家やユーザーからは、iPhoneの古い機種でOSをアップデートしたところ、動作が極端に遅くなったという不満の声が相次いでいた。新しい機種に買い替えさせることを狙ったアップルの戦術ではないかとの臆測も飛び交った。
これに対してアップルは、狙いは別のところにあったと説明している。同社によれば、リチウムイオンバッテリーの性能は年月が経つにつれて低下する。このため部品を守る目的で、不意にiPhoneの電源が落ちることがあるという。
そこで「iPhone 6」「同6s」「同SE」「同7」向けのOSアップデートは、ピーク時の電力需要を「円滑化」して不意に電源が落ちる事態を防止することで、結果的にバッテリーの長寿命化を図る仕様になっていたという。
しかし、それが反応速度の極端な低下を招くことにもつながった。
高速充電バッテリーの新興企業ストアドットの経営者によると、アップルの言う「円滑化」とは、端末が受け取った命令の順番を並べ替えて、並行して処理されないようにすることだといい、「結果として、平均的な反応速度の低下は避けられない」と解説する。
アップルは、今後別の製品でもこの機能を使い続ける方針。「我々の目標は、ユーザーにとって最善の使い勝手を実現することにある。これには全般的な性能や、端末の寿命の長寿化も含まれる」と強調している。