スミロドンの赤ちゃんのミイラ発見、皮や毛が残り科学者も「驚き」
(CNN) ロシア極東シベリアで「スミロドン」と呼ばれる古生物の赤ちゃんのミイラが発見された。こうした発見は今回が初めてで、古生物学の世界に興奮が広がっている。ミイラの保存状態は極めて良好で、スミロドンがどのような生き物なのか初めて確認することができた。軟部組織を調べることで、スミロドンの筋肉が最も大きい箇所や、狩猟方法がどのように形成されたのかについて手がかりを得られそうだ。
サイエンティフィック・リポーツ誌に掲載された報告書によれば、豊富な毛皮とミイラ化した肉が部分的に体を覆っており、顔や前肢、胴体はほぼ無傷だった。茶色の毛皮は短いが分厚く、毛の長さは20~30ミリ。ロシア科学アカデミーの会員であり、同アカデミーの古生物学研究所の所長を務めるアレクセイ・ロパーチン氏は、その毛皮も驚くほど柔らかかったと述べた。
ロパーチン氏はCNNの取材に対し、電子メールで、「はるか昔に絶滅した動物の生きた姿を自分の目で見るのは素晴らしい気分だ。スミロドンのような捕食生物については特にそうだ」と述べた。スミロドンは現在の大型のネコ科動物の遠い親戚であり、長さが最長20センチにも達する刃のような長い犬歯で知られている。
ロパーチン氏によれば、今回見つかったミイラはホモテリウム・ラティデンスがアジアにいた初めての証拠。ただし、化石化した骨については、これまでもオランダやカナダのユーコン準州で見つかっていた。そのほか、マンモスなどの氷河期の冷凍されたミイラは、シベリアのサハ共和国で確認されている。
ロパーチン氏によれば、それに比べて、ネコ科のミイラは「極めてまれ」だという。今回の発見の前に知られていたネコ科のミイラは2体だけで、いずれの赤ちゃんもホラアナライオンのもので、サハ共和国で見つかっていた。
ロパーチン氏は、今回の発見により、新たにホモテリウムの赤ちゃんがリストに加わったと指摘。この生物を理解するのに重要な次の段階は、DNAの抽出や、骨格や筋肉、毛皮の詳細な検査だと説明した。