スミロドンの赤ちゃんのミイラ発見、皮や毛が残り科学者も「驚き」
古生物学者のジャック・ツェン氏はCNNの取材に対し、今回の発見から得られる「情報の宝庫」を考えると「言葉が出ない」と語った。ツェン氏は絶滅した哺乳類に関する解剖学を研究しているが、今回の発見には関与していない。
ツェン氏は「そもそも、この系統の骨が見つかることが珍しい。それに付随した軟部組織ならなおさらだ」と述べ、発見されたミイラを目にしたことで現実が変わったようだと言い添えた。
スミロドンのミイラはサハ共和国北東部を流れるバジャリカ川近くの永久凍土に保存されていた。2020年に同共和国の古生物学者の監督の下で発掘業者がマンモスの牙を探していたところ発見された。ロパーチン氏が明らかにした。
放射性炭素年代測定法で調べたところ、スミロドンのミイラは少なくとも3万5000年前のもので、後期更新世に生息していたことがわかった。
報告書によれば、特に前肢の保存状態は素晴らしかった。前肢には爪と楕円(だえん)形の肉球も残されていた。
ミイラの一部とともに、骨盤と後肢の骨も氷の中で発見された。ライオンの子どもの解剖学的特徴との比較や、切歯の成長具合から、スミロドンの子どもは生後約3週間で死亡したと推定される。