スミロドンの赤ちゃんのミイラ発見、皮や毛が残り科学者も「驚き」
ロパーチン氏は、今回のミイラによって、スミロドンの子どもが同じような年齢の現代のライオンの子どもと全く異なっていることが示されたと指摘した。毛皮の色はより濃く、耳はライオンの子どもよりも小さい。前肢はより長く、口が大きく開き、首もより太い。上唇の高さは現代のライオンの子どもの2倍以上で、上あごの長い犬歯が成長したときに、唇で覆うことができるようになっていた可能性があるという。
ツェン氏によれば、前肢はライオンの子どもよりも円形で、むしろクマの前肢に近い。クマはその力強い前腕で木々や草を掘り進んで餌を探すことで知られている。スミロドンの前肢の大きさと形から、成体も獲物の動きを封じるために前腕に頼っていた可能性があるという。
これまで科学者は化石をスキャンして筋肉をデジタルで立体的にモデリングすることで、スミロドンの解剖学的構造についての仮説を立ててきた。ツェン氏は、そうしたモデリングと、四肢の一つを「生身」の状態で見ることは比較にならないと語った。「これにより、こうしたスミロドンが前肢を使っていた可能性が高まったと思う」