欧州委、グーグルに5700億円の制裁金 自社OSを「乱用」
ロンドン(CNNMoney) 欧州連合(EU)の欧州委員会は18日、スマートフォンユーザーに自社アプリの使用を不公正な形で押しつけ競争を阻害したとして、米グーグルに43億4000万ユーロ(約5700億円)の支払いを命じた。欧州委による制裁金としては過去最高額。
EUの反トラスト当局トップ、ベステアー欧州委員は声明で、グーグルは同社の基本ソフト「アンドロイド」を「自社の検索エンジンの優位を確固たるものにする手段」として利用してきたと指摘した。
そのうえで、グーグルについて「欧州の消費者が携帯端末の領域で効果的な競争の恩恵を受ける機会を奪ってきた」とした。
欧州委員によれば、グーグルはメーカー側に対し、アプリストア関連の認可を受ける条件として「グーグルサーチ」や「クローム」といったアプリのインストールを要求していたとされる。
一部の大手メーカーやネットワーク運営業者に金銭を支払い、販売前の端末にアプリをインストールさせていたほか、アンドロイドの別バージョンを搭載した端末の販売も禁止していたという。
ベステアー氏は欧州委で過去最高となった制裁金について、違反の「深刻さと継続的な性質」を反映したものだとしている。
欧州委は欧米の競合他社による申し立てを受け、2015年からグーグルのアンドロイド事業を調査してきた。
グーグル側は今回の決定に異議を申し立てる方針。
グーグルは昨年にも、検索結果で自社の買い物サービスを優先的に表示したとして、24億ユーロの支払いを命じられていた。これは競争法違反絡みのEUの制裁金としては当時最高額だった。