中国裁判所、iPhone旧機種の販売差し止め命令 クアルコムの訴え認める
ニューヨーク(CNN Business) 中国の裁判所が米アップルのスマートフォン「iPhone」の旧機種について、販売と輸入の差し止めを命じた。予想外の判断が米中間の貿易戦争をエスカレートさせるのは確実だ。
差し止め命令は、米半導体大手クアルコムが申し立てていた。申し立ての時点でまだ発売されていなかった新型の「iPhone XS」「iPhone XS Plus」「iPhone XR」は差し止め命令の対象外。業界アナリストによると、対象となるiPhoneは、中国における現在のiPhone販売の10~15%程度を占める。
クアルコムは、iPhone 6S~iPhone Xまでの7モデルについて、アップルに2件の特許を侵害されたとして販売差し止めの仮処分を申し立てていた。
差し止め命令の実質的影響については現時点ではっきりしない。命令が発表されたのは10日だが、効力は先週から発生していた。アップルの声明によると、今も中国ではiPhoneの全機種が引き続き販売されている。
クアルコムの法務責任者は、「もしアップルが命令に違反しているのであれば、中国の裁判制度を通じて強制執行を申し立てる」との声明を発表した。
アップル側は、クアルコムが国際的な裁判所で無効とされた特許や、一度も使ったことのない特許を主張していると反論。法定で争う構えを示し、10日に今回の判断を不服として再考を申し立てた。
クアルコムはこの判断を歓迎し、アップルに対して技術使用料の支払いを求めている。