新OSからiTunesの終了まで、アップルのWWDCを振り返る
米カリフォルニア州サンノゼ(CNN Business) 米アップルは3日、米カリフォルニア州サンノゼで、開発者向けの会議「WWDC」を開催した。アップルはこの中で、基本ソフト(OS)の新たな機能をはじめ、新しいデスクトップパソコン「Mac Pro」を発表したほか、音楽や動画の管理などに使われてきた「iTunes」の終了を明らかにした。
iTunesは18年の歴史に幕
アップルは予測通り、18年前に誕生し、かつてはビジネスモデルの刷新を促したiTunesの終了を明らかにした。
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iTunesは「ミュージック」「TV」「ポッドキャスト」の3つのアプリに分割されることになる。
iOS13:ダークモードに対応、マップを刷新
新しく登場したOS「iOS13」により、「iPhone」や「iPad」「iPod touch」で「ダークモード」を利用できるようになる。ダークモードでは暗い背景に明るいテキストを表示する。薄暗い環境で画面を見る場合などに、より目にやさしくなるという。
iPhoneなどに内蔵されているアプリも改良された。「メール」ではフォントや書式設定が拡充された。「リマインダー」は特定のユーザーのタグ付けやより効率的な作業処理を促す機能などが追加された。
2012年に登場した「マップ」が刷新された。米国では年内にもより詳細な地図が利用できるようになる。アップルによれば、独自のセンサーを搭載した飛行機を飛ばしたり車両を走らせたりした。これらの移動距離は米国全土で400万マイル(約643万キロ)に達したという。お気に入りの場所を記録する機能なども追加された。
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ワイヤレスイヤホン「エアポッド」では電子メールを音声アシスタント「Siri」の声で読んでもらえるようになるほか、近くの人と自分の聞いている音楽などを共有する新機能が使えるようになる。
プライバシー保護を打ち出す
アップルは独自のログイン用プラットホーム「サイン・イン・ウィズ・アップル」を立ち上げた。この機能を使うと、アップルのアカウントを利用して外部アプリにログインすることが出来るようになる。実際のメールアドレスを隠したまま、無作為に発生させたメールアドレスをそれぞれのアプリに送信することができる。
プライバシーに関しては、サードパーティーのアプリが収集できる追跡情報の量を制限する新しい選択肢の提供も始める。位置情報の取得を1回に限ったり、バックグラウンドでの情報追跡について報告を受け取ったりすることができる。
アップルウォッチには新OSと新機能
アップルウォッチには、新たなOS「ウォッチOS6」のほか、新機能も加わった。アップルウォッチ向けの独自のアップストアが登場した。計算機能が利用できるほか、オーディオブックや音声メモのアプリが用意された。生理周期を追跡する機能も加わったという。
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高速の新型Mac Pro
アップルは2013年以来となるMac Proの新モデルを発表した。外観は「ごみ箱」といわれた前モデルから離れ、より伝統的なタワー型になった。しかし、今回は「チーズおろし器」という名前を付けられそうだ。最大28コアのインテルのプロセッサーを搭載でき、メモリーは最大1.5テラバイト。今秋にも発売される見通し。価格は6000ドルから。
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アップルは32型で6Kに対応したディスプレー「Pro Display XDR」も発表した。
アップルは新たにiPad用のOS「iPad OS」を用意した。マルチタスク機能が強化されたほか、画面を分割してひとつのアプリで複数のファイルなどを使用できる。